1)緊急被ばく患者記録用紙(情報提供用)
※上記画像をクリックするとPDF用紙がダウンロードできます。
2)処置室内
A.診療放射線技師または放射線管理要因(外回り):放射線防護および機材調達
B.看護士:記録
C.医師:除染・治療担当
D.診療放射線技師:放射線測定・防護管理
E.看護婦:除染・治療担当
F.医師:チームリーダー
3)受け入れ患者の汚染レベル
汚染した患者を医療関係者が処置等を行う場合どのくらいの汚染レベルであれば医療関係者は安全か汚染患者を処置する場合、医療関係者にとっての問題は
1.患者の汚染、つまり患者に付着した放射線物質による二次汚染
2.患者に付着した放射性物質による(中性子による被ばくの場合は、患者の体内で放射化した元素による)被ばくがある。
上記1.の二次汚染に関しては防水性の手術着とゴム手袋、マスク、手術用帽子、ゴーグルで十分防護できる。またパウダー状の汚染物質に関しては水分を十分含ませたガーゼ等で汚染部を覆い空中に舞い上がらないようにするとよい。
また2.の患者に付着した放射性物質による医療者の被ばくに関して過去、400件近くの放射線事故(オークリッジ登録分)では、医療関係者の健康に影響を与えるようなことは無かった。さらに、放射性物質や放射化した元素から出る放射線に関してみると
α線:手術着やゴム手袋、手術用マスク、ゴーグル等で完全に防護できる。
β線:一部は手術着等で遮蔽できるが、十分遮蔽されないで被ばくするときの対策としてはアラーム付個人線量計が鳴れば他の医療スタッフと交代することにより医療スタッフの被ばく線量を安全域に保つことが出来る。
γ線、X線:アラーム線量計が鳴れば他の医療スタッフと交代する。
また一般的には放射性物質から中性子線が出ることは無いと考えられる。以上のことから患者の汚染に関して、医療関係者はすべてのレベルの汚染患者を安全に受け入れることが出来る。
4)受け入れ患者の被ばくレベルに関して
1.検査等により検出できる被ばく線量
50mSv:染色体の異常出現頻度
500mSv:末梢血リンパ球等の減少
2.治療の必要な被ばく線量
全身外部被ばく:1Gy以上
内部被ばく:20mGy(年線量限度)以上
50mGy(がんのリスク上昇下限)以上
500mGy(体内α核種のホールボディカウンターの検出限度)
局所被ばく:10-30Gy(皮膚潰瘍、びらん形成)
3.無菌室での治療を考慮する被ばく線量
2Gy以上
4.骨髄移植を検討する被ばく線量
4~5Gy以上
5.消化管障害に対する治療をはじめる被ばく線量
7~10Gy以上